強みを活かしてより良いものづくりの力に。挑戦心を育む環境で広がるキャリアの可能性
杉本 大翔
HMIシステムズ事業部
生産技術
2020年高専卒入社
パナソニックオートモーティブシステムズは、社員一人ひとりの成長と自律的なキャリア形成を支援するため、さまざまな人事制度や研修プログラムを整えています。加えて、各部門でも担当事業や専門性に沿った独自のキャリア支援を行っています。
今回は、2020年高専卒入社 杉本大翔さんへのインタビューしました。HMIシステムズ事業部で生産技術職を務める杉本 大翔。生産設備移管や車載製品の生産設備立ち上げに携わり、主に検査器を担当しています。学生時代の学びや趣味を通じて身につけた知識を活かしながら、パナソニックグループならではの高品質なものづくりを支えてきました。生産技術に取り組む醍醐味、仕事のやりがいを語ります。
生産設備立ち上げの最前線で活躍。大切にしているのは、学び続ける姿勢
──まずは所属部署と仕事内容について教えてください
HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)システムズ事業部は、ステアリング周辺のスイッチやセンサなどの開発・製造を手がける部署です。
このうち生産技術部の生産技術一課には、ネットワークやデジタルトランスフォーメーション、海外工場との連携、法律順守・業務推進等のための管理業務、設備保全、生産設備の設計から導入・立ち上げを担う4つの係があり、私は生産設備の設計から導入・立ち上げを担う係に所属しています。
9名が在籍する生産システム開発係は、機械系と電気ソフト系に大きく分かれ、私は後者の担当です。この春から新たに取り扱うことになったヘッドアップディスプレイの生産設備移管と、そのほかの車載製品の生産設備立上げに携わり、組み立てライン上で良品/不良品を判定する検査器を主に担当しています。
──そもそも、生産技術課はどのような業務を担当する部門ですか?
わかりやすく言うと、製品を量産するための設備・工程をつくることが生産技術課の役割です。製造しやすい機構を実現するために、製品の開発段階から参加し、開発担当者に対して工場の目線から提案や要望を出すところから始まります。
その後、想定生産数を確保するための生産設備のスペックを決定し、協力会社と共に設備の開発を進め、設備の完成後に工場に導入し、量産化に向けて調整するというのが業務の主な流れです。
これまで、エアコンなどを制御するインパネスイッチ、ステアリングのスイッチのほか、360度ビュー機能などにおいて映像を処理するためのECU(電子制御ユニット)の生産にも携わってきました。開発プロジェクトが始まって生産設備が導入されるまで、約2年の歳月を要します。
つい先日、当拠点で生産する予定のステアリングスイッチの映像が公開されましたが、量産化が始まるのは年明けの見込みです。
──生産技術の仕事をする上で、杉本さんが大切にしていることを教えてください。
常に生み出されている新しい技術に対して興味関心を持ち、できるだけ多くを吸収するよう心がけています。私は電気系の出身ですが、生産設備は電気やソフトだけの力で動いているわけではありません。入社後、生産技術を担うようになってからは、とくにメカ系の知識を身につけるよう意識してきました。
自動車への情熱に導かれ、PASへ。「ものづくり大学校」がさらなる成長のきっかけに
──パナソニック オートモーティブシステムズ(以下、PAS)への入社を決めた理由はどのようなものでしたか?
幼いころから自動車が好きで、学生時代からドライブやモータースポーツを楽しんでいました。とくに興味があったのは、ガソリンカーのエンジン・パワートレインシステムやハイブリッドカーシステムなどの自動車技術です。自動車に関わる仕事がしたいと考えていた私にとって、PASは非常に魅力的な環境でした。
また、インターンシップに参加して生産技術の仕事について知ると同時に、社内の雰囲気や社員の人柄に好感を持ったことも、決め手のひとつです。地元で働けることにも強く惹かれました。以上の点から、自分にマッチした職場だと感じ、入社に至りました。
──入社からこれまでの杉本さんのキャリアについて教えてください。
新入社員研修を受けた後、敦賀拠点に配属され、仕事をする上で必要な機械・電気の基礎について学びました。その後、設備の保全・修繕担当に。実際に設備を触りながら、設備の構成や調整技術を習得しました。
2年目に電気担当となり、初めて検査器の導入業務を担当。さらに、社内の電子複合検定の2級を取得し、2023年からは電気主任技術者試験に挑戦するなど、国家試験や社内検定にも積極的に取り組みながら、スキルアップできている実感があります。
──4年目に「ものづくり大学校」に行かれていますが、どのような経緯で参加し、そこで何を学ばれましたか?
ものづくり大学校は、製造現場で働く若手を対象に、グローバルに活躍できるヒューマンスキルと専門スキルを兼ね備えた実践者を育てることを目的とした、1年間の社内研修制度です。上司から「行ってみないか」と提案され、それまで業務の中で身につけてきたことをカリキュラムを通じて学び直し、知識を広げ技術をさらに磨く良いきっかけだと考え、参加を決めました。
PAS以外のカンパニーを含む国内外の拠点から集まった約30名のメンバーたちと共に、生産技術業務を遂行する上で必要な技術・知識を学べたことは、とても有意義だったと感じています。
たとえば、ものづくり大学校では、特定の科目の授業を1週間にわたって受講します。普段の業務ではなかなか手が届かない部分まで深く踏み込み、実践を交えながらノウハウを培ったことで、設備の制御に対して以前感じていた抵抗感がまったくなくなりました。
そのほかの点についても、ものづくり大学校で教わったことを活かし、実際の現場の設備に応用しながら、業務に取り組むことができていますね。
若手中心のチームで切磋琢磨。いまに生きる、高専時代の学びと趣味を通じて得た知識
──入社後、杉本さんにとって成長を実感した出来事があれば教えてください。
入社2年目に、画像を使った検査器に初めて携わった時のことが印象に残っています。半導体不足の影響もあって調整に時間を要する設備であったにもかかわらず、納期が非常にタイト、という難易度高めな状況の中でしたが、自分が中心になって立ち上げを進めました。先輩社員の協力もあって、無事に納期通りに出荷できたことは、大きな自信につながっています。
立ち上げの過程では、画像処理の授業や音声・画像の処理に関する卒業研究など、高専時代に学んだことが役立ちました。また、趣味の一眼レフカメラを通じて得た知識がそのまま活かせる場面もあり、過去の経験が仕事に生きている実感があります。
──チーム内の雰囲気やサポート体制はいかがですか?
生産技術一課の中でも、私が所属する生産設備の設計から導入・立ち上げを担う係の半数以上を20代のメンバーが占めています。また、私と同じ福井高専出身の先輩社員も多いため、わからないことに直面した場合や困ったことがあった場合など、気軽に尋ねやすい風土があり、これまで何度も助けられてきました。とても働きやすい職場だと感じています。
新しいことに進んで挑戦する文化が根づいているのも、当チームの特徴です。たとえば、当社では社内競技大会が実施されていて、メンバーが意欲的に参加しています。これは、全社的な技術力向上を目的として、パナソニックグループ内で年1回開催されるもので、PAS内の大会で優秀な成績を収めると、パナソニックグループ全体の大会に出場することができるんです。
私はコロナ禍に入社したため、ほかのカンパニーのメンバーと交流する機会が新入社員研修時にありませんでした。PASとはまったく異なる製品や技術、組織風土を持つ方々との接点を通じて刺激を受けられるこうした機会は、とても貴重だと思っています。
──お客様とやり取りをする機会はありますか?
たとえば、監査のために拠点を訪問されたお客様に対応することがあります。私が担当したわけではありませんが、新しい設備の立ち上げの際に、お客様に対して直接コンセプトについてほかのメンバーが説明したこともありました。
自動車愛を強みにして、生産技術のスペシャリストに
──今後の杉本さんの展望について教えてください。
2024年で入社5年目を迎えます。これまでは先輩社員に頼ることが少なくありませんでしたが、生産技術として必要なプロセスを自分ひとりで適切に進め、一人前に仕事ができる存在になることが目標です。
これまで以上に仕事に軸足を置き、検査器のスペシャリストとして、製品ごとに最適なかたちで量産へと導いていけるようになりたいと考えています。
──ご自身の強みは、どんなところにあると感じていますか?
PASは自動車部品をつくっている会社なので、自動車に関する知識が豊富なことを有利に感じるケースがよくあります。たとえば、検査器の設計は、自動車に搭載する際にかかる電圧を想定しながら行われますが、具体的なイメージを持つことができるのは、自動車の構造に詳しいからこそです。
社内には自動車好きが多いので、メンバーと同じレベルで深い議論ができたときも、自動車が趣味で良かったと感じます。
──では最後に、新しく参加するメンバーに向けて、メッセージをいただけますか?
PASには、自動車やカメラの知識が活かせるなど、“好き”を仕事にできる環境があります。新しい車種に関して若手の私がベテラン社員に教えることもあるなど、趣味を介して年齢や世代の壁を超えたコミュニケーションができるのは、自動車部品を手がける当社ならではだと思います。
また、海外出張のチャンスがあるのも生産技術課の大きな特徴。お客様や仲間と力を合わせながら、パナソニックグループならではの高品質なものづくりの実現に向けて、共に成長していきましょう。
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