Our Impact

人的資本経営

メッセージ

自動車業界が変革期を迎える中、当社ではSDV化(Software Defined Vehicle)を先導するとともに、移動価値を向上させる新たなユーザー価値を提案し、“世界一の「移ごこちデザイン」カンパニー”となることを目指しています。これを実現するためには、新たな領域へと挑戦し、仲間とともに成長し続ける人材の力をグローバルな視点で最大化していくことが必須です。

その核となるのが人材育成であり、当社は「人財育成に最も強い会社」として認知されることを目指しています。2024年秋には「PAS University」という企業内大学を設立し、会社を挙げて社員の各々がありたい姿を描き、実現していくためのキャリア形成とスキル開発を支援しています。

また、多様な人材がそれぞれの個性や能力を最大限活かすためには、DEIや働く環境の継続的な改善が必須です。誰もが活躍できる会社を目指し、「働きやすさ」だけでなく「働きがい」も担保するための教育・研修、人事制度、仕組みの改善に積極的に取り組んでいます。

そして、これらを支える基盤となるのがミッション・ビジョン・バリューです。創業の理念に立ち返るとともに、これからの変革の時代を先導する力を引き出す核となる考えを改めて明示しました。当社グループの人材がグローバルに一体となってこれらの価値を実現していくことで、モビリティ社会の更なる進化・発展を加速して参ります。

執行役員 / CHRO
大橋 智加

  • 正式名称:Panasonic Automotive Systems University
Mission 私たちの存在意義 Vision 私たちが2040年に目指す自社の理想の状態と提供価値 Value 私たちの価値観と行動指針 Slogan ミッションとビジョンを一言で表現した標語

(1)人材育成・リーダーシップ

①PAS University

企業内大学「PAS University」を開校し、新たに採用する人材に体系的かつ実践的な学びの場を提供するとともに、各技術領域における専門能力強化やスキルアップデートの機会を提供します。パナソニックグループとして培ってきた人材育成のノウハウやカリキュラムは継続して活用するとともに、受講生となる社員が自らの意思で参加し、得意分野については講師となる機会などを通じて、双方向のコミュニケーションを深めることで、組織と個人の成長につなげることを目指します。

  • 正式名称:Panasonic Automotive Systems University

カリキュラムの狙いと具体的な講座の例(一部):

カテゴリー 概要 目的 具体例(一部)
企業理念、バリュー パナソニックの経営理念および当社のミッション・ビジョン・バリューを学ぶ 創業の理念に立ち返るとともに、現在の会社の目指す姿をとらえ直したミッション・ビジョン・バリューの浸透を図ることでエンゲージメントを高め、一体感を高める 経営層とのラウンドテーブル
節目ごとに実施している経営理念研修に加え、トップの考えを共有、各個人の考えを言語化し、経営理念やミッション・ビジョン・バリューを自ら表現することで浸透を図る
共通スキル 幹部開発、リーダーシップ開発、ビジネススキルの獲得 企業のバリューを体現するリーダー人材に必須となるヒューマンスキル、コンセプチャルスキルを選抜的・階層的に教育する 変革をリードする責任者育成
他社の成功/失敗事例と当社の共通点を考え、パラダイムの点検を通じて、慣性、惰性からの脱却を促す。変革に向けた提言と行動計画を策定する
DX・IT、語学、リテラシー教育 全社員を対象とした共通的なスキルアップデート、リテラシー獲得 オンライン・デジタル研修サービス
社外のオンライン研修プラットフォームも活用し、全社員がいつでも学びたいものを学ぶことができる環境を提供する
専門スキル 技術・品質・モノづくりなど領域ごとのスキル獲得 各部門が実施している研修を集約・体系化し、各部門が保有する専門知識を全社に展開。教育資産を全社で活用 体系化とワンストップサービス
社内に既にある600を越える研修カリキュラムを体系立てて整理し、研修カリキュラムとして全社に一元的に展開。受講しやすい仕組みを提供
SDV化に向けた高度専門スキルの獲得 当社では、SDV化や車両機能統合化を加速するソフトウエア人材の採用を強化している。新規採用を含む技術者へのオンボーディング施策をさらに充実させ、早期戦力化を図る。既にCoEとして活動中のセキュリティに加え、強化領域として「アーキテクチャ」「AI」「UXデザイン」などを設定し、エキスパートグループを編成。世界トップレベルのスキルを持つ人材を育成 エキスパート育成
全社横断でエキスパート人材を選定し、レベル別に講師群・育成群を設置。余人に代えがたい人材が持つシステムまたはソフトウェアアーキテクチャ設計に関する暗黙知を形式知化しカリキュラムを構成。合わせて育成を意図した具体的な開発プロジェクトでの実践を重ねる。ともに学び・教え合うことで、一線級技術者の更なるレベルアップを図る
  • CoE(Center of Excellence)…専門性が高くノウハウを有するスペシャリストを集約した組織

②キャリア・役割

自らありたい姿を描き、挑戦・成長いただくため、キャリア意識醸成とキャリア形成の支援を行っています。定期的な上司との1on1やキャリアセミナー開催に加え、キャリア相談窓口の開設、公募異動制度(名称:Career PASport)の拡充、自薦による管理職登用など、社員の自発的な意思を活躍に結び付ける仕組みを用意しています。

また、管理職層以上の職務を「マネジメント」と「プロフェッショナル」の2軸で再整理し、役割と人材要件を明確化すべく全ポジションに役割定義書を導入。役割を果たすための育成を支援するとともに、そのポジションを目指す人材の道標として活用いただくべく全社員に共有しています。

  • Career PASport … 充員ニーズは全て公募することを基本とすると共に、シニア向け(60才以上の継続勤務を視野に)、社内インターン、プロジェクト参画等、様々な形態での募集を可能とし、挑戦を最大限後押しする制度へ2024年7月に改訂。

③幹部開発

新たな経営戦略・事業戦略を描き、牽引していくための経営幹部の育成を図っています。
現任役員においては、社外有識者を招いた役員経営研究会を開催し、新たな知見を取り入れるとともに、当社の経営課題を改めて深く議論して共通認識化する場を設けています。

幹部候補育成においても、定期的な「人財開発会議」の場等を通じて早期にポテンシャル人材を発掘し、本人の成長に繋がるアサインを検討。社外研修やメンタリングも活用しながら、事業変革・事業創造ができる人材を育成しています。

研修時間 2023年度:37.76時間/人
研修費用 2023年度:94,132円/人
のべ研修受講者数 2023年度:33,224人
1on1実施率 2022年度:78.9%、2023年度:82.9%
マネジメント研修受講済責任者比率 2022年度:100%、2023年度:100%
幹部開発プログラム対象者数 2022年度:126人、2023年度:118人
  • 上記はすべてパナソニック オートモーティブシステムズ株式会社(国内)の数値

(2)エンゲージメント

社員がやりがいをもってモチベーション高く働ける環境をつくるため、定期的に従業員意識調査を実施し、職場や会社全体で風土改善に取り組んでいます。

2022年度からは従業員意識調査の結果を役員の評価・報酬に反映する仕組みを導入し、風土改善に対する経営層のコミットメントを強化しています。

社員を活かす環境 2022年度:56.5、2023年度:59.0
社員エンゲージメント 2022年度:61.4、2023年度:63.4
DEI 2022年度:73.5、2023年度:75.0
人材育成 2022年度:63.0、2023年度:65.3
業務革新 2022年度:46.7、2023年度:48.7
チャレンジ 2022年度:47.3、2023年度:51.3
  • 上記はすべてパナソニック オートモーティブシステムズ株式会社(国内)の数値

(3)人材獲得・リテンション 

当社が新たな領域で成長していくため、自動車業界および当社の大きな変革に参画し、成長、貢献することを願う多様な人材の採用を積極的に進めています。とりわけ、クルマの進化、SDV(Software Defined Vehicle)化を先導するため、ソフトウエア人材の採用を大幅に拡充しています。

また、入社から一定期間のオンボーディング施策により、当社の歴史や文化の理解、横のつながりづくり、自動車業界および当社における仕事の進め方についての理解醸成等を行うと共に、専門スキル領域での研修プログラムの充実を図り、多様なバックグランドや知見を発揮しながら、早期にご活躍頂くことに向けた環境整備を図っています。

定期採用 2023年4月入社 94名
(内、女性19名/女性比率20%、技術系の女性比率 13.8%)
2024年4月入社 89名
(内、女性 16名/女性比率18%、技術系の女性比率11.2%)
※2025年4月は倍増以上を見込んでいます
キャリア採用 2022年度  95名(内、女性13名/13.7%)
2023年度 121名(内、女性24名/19.8%)
離職率 2022年度 1.46%、2023年度 1.75%
  • 上記はすべてパナソニック オートモーティブシステムズ株式会社(国内)の数値

(4)DEI

DEI(Diversity, Equity & Inclusion)は、当社のミッション・ビジョン・バリューの実現に欠かすことのできない重要なピースです。私たちを取り巻く環境は常に変化し、価値観の多様化も進んでいます。特に自動車業界は、100年に一度の変革期を迎え、その付加価値構造を大きく変えようとしています。多様な発想で、しなやかに変化に適応し、自らイノベーションを起こすことができなければ、生き残りは困難です。すなわち、多様な発想は、企業競争力の源泉です。多様な人材が集い、それぞれが個性や能力を最大限に発揮できるよう、DEIの観点でも様々なことに取組んでいます。下記ページで詳しくご紹介しております。

DEI

(5)コンプライアンス

コンプライアンスの実践は、当社が事業活動を行う上での大前提です。従業員一人ひとりが「法令順守」はのみならず、私心にとらわれることなく「社会のために何が正しいのか」を自律的に考え、インテグリティに基づく行動を積み重ねていくことを徹底しています。 

取組み事例(一部)

  • 定期的なトップメッセージの発信や法規制動向を踏まえた教育・研修の展開などを通じ、コンプライアンスファーストの意識・文化を醸成
  • ハラスメントの撲滅にも力を入れ、ルールの厳罰化に加え、全従業員を対象としたハラスメント研修を毎年実施
    受講率 2023年度:99.4% 2024年度:99.9%
  • コンプライアンス上の疑問・相談を受け付ける社内通報窓口を整備

(6)健康・安全 

健康・安全もまたコンプライアンスと同じく、当社の事業活動を行う上での大前提です。従業員が心身ともに健康で安全に、活き活きと持てる力を存分に発揮し、相互に協力し合いながら最高のチームとして仕事に向き合える職場環境を構築すること、その実現が会社の持続的な成長にもつながると考え、様々な取組みを推進しています。詳細は「健康経営」をご覧ください。 

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