経営目線を大切に。
生産販売管理担当として、ロスコストの最小化に挑む若手社員
冷水 柊生
HMIシステムズ事業部
生産管理
2022年高卒入社
パナソニックオートモーティブシステムズは、社員一人ひとりの成長と自律的なキャリア形成を支援するため、さまざまな人事制度や研修プログラムを整えています。加えて、各部門でも担当事業や専門性に沿った独自のキャリア支援を行っています。
今回は、2022年高卒入社 冷水柊生さんへのインタビューしました。高校の商業科を卒業後、2022年に新卒入社した冷水 柊生。車載機器のスイッチやスピーカーを扱う部門の生産販売管理担当として、さまざまな部署とコミュニケーションを取りながら活躍しています。そんな冷水が、仕事のやりがいと難しさ、働く環境の魅力や今後の展望を等身大で語ります。
工場における「コントロールタワー」として生産計画から納品まで一連のプロセスを管理
──現在、どのような仕事をしていますか。
私が所属するHMIシステムズ事業部は、「ドライバー・同乗者(Human)と車(Machine)との相互理解(Interface)を通じて、安心・安全・快適な車室内空間を提供する」をミッションに、車載機器やシステムを製造しています。その中で私が担当しているのは、スイッチやスピーカーを中心としたデバイス・モジュールの生産販売管理。ハンドル周りでスピーカーの音量調節ができるステアリングスイッチや、車内の温度調節ができるインパネスイッチなどがその一例です。
生産販売管理とは、工場における「コントロールタワー」のような仕事。まずは製品をいつまでにどのくらいつくるかを計画し、関連部門と連携しながら生産数を確定します。そして、完成した製品をお客様へ出荷するまでの一連のプロセスに問題がないか、管理・確認しています。
生産は海外工場に依頼するケースも多数あり、タイや中国といったパナソニックグループの拠点と週次で打ち合わせをするため、日本にいながら世界中の人と仕事ができるグローバルな環境です。
私自身、学生時代は英語が得意ではなかったのですが、先輩たちにフォローしてもらいながら取り組んでいます。
──仕事の難しさとやりがいについて教えてください。
私たちの仕事の一番の難しさであり、やりがいでもあるのは、会社の利益や経営に影響する在庫管理を担っていることです。在庫が多すぎると管理コストが増え、キャッシュフローや資金繰りの悪化につながりますし、少なすぎると機会損失や納品遅れが起きてしまいます。そのため、生産計画においては、お客様から3カ月ごとの発注計画をいただき、その数字と過去の販売データを照らし合わせながら「基準在庫」を決め、それに沿った計画を立てます。
最近では、「後補充計画」という取り組みで在庫削減に力を入れています。
これは簡単に言うと、付加価値の高い完成品ではなく、できる限り部品・材料の状態で在庫を持つ試み。在庫のムダ・作りすぎのムダを排除することで在庫削減・最適化に努めています。日々の販売増減の情報を取り込み、必要な時に必要な分のみを生産しています。
こうした削減活動をしながら、コストやリードタイムの改善に取り組んでいますが、それでもお客様から急な発注をいただくこともあります。そうした際は、営業部門と連携しながら特別な運送費用の請求交渉なども行い、ご希望の納期に間に合うように対応します。こちらのコストは抑えながらも、できる限りお客様のご要望には応えたいので、こうしたやり取りもやりがいがありますね。
自分が生産計画した製品が車に搭載され、市場に出ている姿を見る時はやはり嬉しいですし、ロスコスト(必要のないコスト)を減らすという経営に影響の大きい責任ある仕事をしていることにも使命感を抱いています。
コミュニケーション力を発揮できる生産販売管理の仕事。商業科での学びも活かし活躍
──パナソニック オートモーティブシステムズ(以下、PAS)に入社した経緯を教えてください。また、入社後の研修はどのようなものでしたか?
私はもともと事務系の仕事に興味があり、高校は商業科を選んで簿記や原価計算などを学びました。生産販売管理に惹かれたのは、そうした勉強を活かしつつ、コミュニケーション力を発揮できる仕事だったからです。昔から人と接することが好きだったので、さまざまな部門の人との協力・調整が必要な仕事だと知り、魅力を感じました。中でもPASを選んだのは、多岐にわたる事業展開をしていて挑戦の幅が広かったこと。また、企業訪問の際に出会った先輩社員のあたたかい人柄に惹かれたことも決め手となりました。
入社後は、ビジネスマナー研修に加え、同期とチームを組んで課題解決に取り組むワークショップを経験しました。高卒だった私は、活発に意見を交わす大学生の同期に圧倒されてしまったのですが、その分刺激も受けたので、自らリーダーを引き受けてワークをまとめる役割を果たしました。研修を共にした同期とはいまも仲が良く、営業や購買など配属先はさまざまですが、仕事ではもちろんプライベートでも交流が続いています。年齢も距離も関係なく、相談し合える良い関係ですね。
───生産販売管理課に配属後は、どのように仕事を覚えていきましたか?その中で苦労したことはありますか?
配属後は、まず物流部門で製品の出荷プロセスを体験的に学ぶ研修を受けました。その後、1カ月ほどでお客様の担当を任され、生産計画の立案から始めることになりました。システムの使い方や海外生産拠点への発注方法など、メンターである先輩のサポートを受けながら実務を学んでいきました。最初に担当したのはステアリングスイッチの生産計画でしたね。既存案件で販売変動が少ないものから始め、徐々に案件数を増やしていきました。
生産管理部門には、納期までに確実に製品を納品することが求められますが、その過程ではさまざまな課題が発生します。それらの課題を解決するためには、他部門や他社の協力が不可欠なので、関係者にこちらの要望や事情をしっかり説明し、理解や協力を得なければなりません。そうした説明能力や交渉力を身につけることに一番苦労しましたね。
たとえば、生産プロセスでは、突発な注文によるサプライヤー様の在庫不足が発生し、当社で急遽生産できたとしてもお客様の希望納期に間に合わない、という問題が起きることがあります。その場合は、営業担当に事情を説明し、お客様と納期を調整してもらったり、今後同じことが起きないように「この部品を使う製品は時間がかかるので、必要な場合は前もって教えてください」と営業部門に共有したり。
「生産販売管理」と聞くと、ひとりで黙々と作業するようなイメージがあるかもしれませんが、計画通りに納品するための課題を解決するために、あらゆる方面とコミュニケーションを取る必要があります。メールやTeamsでも説明や依頼はできますが、私はあえて直接会って話した方が相手の理解を得やすいように感じます。もともと「いろんな人とコミュニケーションを取りながら仕事をしたい」という希望があったので、こうしたやり取りは楽しいですね。
──学生時代に勉強したことが、活きる場面もありますか?
商業科で学んだことはとても役立っています。簿記の知識は、経営のマインドや自分たちの仕事と経営とのつながりを理解する上で欠かせません。在庫管理は決算に直結する部分ですが、原価計算を学んでいたのでスムーズに理解できました。
また、パソコン実習でExcelや情報処理のスキルを身につけていたので、事務作業の時間を削減でき、業務効率化につながっていると思います。
入社1年目の大きなチャレンジ。経営目線を大切に、最小のロスコストで製品を届けたい
──入社してから印象に残っている出来事はありますか?
とくに印象深い出来事は、入社1年目の秋ごろに担当した、ステアリングスイッチの製品に関する材料費用の交渉案件です。
当時、コロナ禍による客先の販売急減と新モデルへの切り替えにより、現行品の打ち切りが決定しました。しかし、すでに材料を発注済みだったため、大量の余剰在庫が発生してしまったのです。この事態を受け、私は購買部門や営業部門と打ち合わせを重ね、お客様への交渉に臨みました。
交渉にあたっては、材料の発注リードタイムや在庫数、販売減少の分析データなどを整理し、論理的な説明を心がけました。その結果、材料費用の負担についてお客様の承認を得ることができました。材料段階での費用交渉が成功したのは初めてのことで、金額的にも大きな案件だったため、ロスコスト最小化に貢献できたことに大きなやりがいを感じました。
また、これをきっかけに、ほかの事業部でも同様のケースで費用回収ができるようになったので、会社からも大きな評価を受けることができました。ただし、直接交渉役をしてくれた営業部門の方々や、準備段階で相談に乗ってくれた先輩方の協力があってこそ成し遂げられたと思います。
──生産販売管理の仕事をする上で、大切にしていることはありますか?
私は、常に経営の目線に立つことを大切にしています。生産販売管理の仕事は、在庫削減など自分たちの努力が会社の業績に直結します。だからこそ、経営の視点を持つことが重要だと考えているのです。
お客様に製品を届けるだけでなく、経営目線を持って、最小のロスコストで届けること。それがこの仕事のミッションだと捉え、日々取り組んでいます。
なんでも相談できる働きやすい環境が魅力。今年から同じ高校出身の後輩のメンターに
──あらためて、PASで働く魅力は何だと思いますか?
一番の魅力は、職場の雰囲気が非常に良く、自分らしくのびのびと働けることです。同年代の若手が多いので、何かあれば相談しやすく、案件を1人で抱え込まずにみんなで共有して考えることができます。一方で、50代のベテラン世代もそろっているので、的確なアドバイスをもらえる環境でもあります。若手とベテランの垣根がなく、仕事ではもちろん、休日には一緒にバレーボールをしたり、食事に行ったりと、プライベートでも交流しています。チームプレーで仕事がしたい方にはぴったりな会社だと思います。
また、柔軟な働き方ができるのも魅力ですね。フルフレックス制なので自分で働く時間を決められますし、在宅勤務も可能。有給も月1回は必ず取得するようにしているので、メリハリをつけて働けています。こうした制度面が充実しているのも、この会社の強みだと感じています。
直近で取り組んでいる語学学習についても、教育制度があったり報奨金制度があったりと、サポート体制が整っていますね。この環境を活用して、語学力を伸ばしていきたいです。
──今後の展望を教えてください。
まずは業務オペレーションの改善ですね。昨年度からスイッチやセンサーを扱う私たちの部門とスピーカーなどを扱うサウンド部門が一緒になったのですが、サウンド部門ではまだ手作業での管理が多いので、効率化ができるように業務改善をしたいと考えています。どうすれば早くできるかを検討しており、Excelのマクロなども活用しながら進めていこうと思います。ベテラン世代にマクロに詳しい方がいるので、先輩方から教えてもらいつつ、この活動に取り組んでいきたいですね。
また、職場の中心メンバーとして、後輩の指導もできるようになりたいと思っています。じつは今年から、自分と同じ高校出身の後輩ができてメンターとなったので、しっかりサポートしていきたいですね。
経営目線を軸に、モノと情報の流れをより深く理解しながら、日々の業務に取り組んでいくことで、会社の発展に貢献できる──そんな喜びを感じながら成長を続けていきたいです。
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