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事例紹介インタビュー

積み上げてきた技術力で
モビリティに新たな価値を
──車載充電器開発でめざす
持続可能な社会

猪狩 修平

充電器ビジネスユニット
技術開発部
2017年キャリア入社

キャリア入社技術系回路設計

パナソニックオートモーティブシステムズは、社員一人ひとりの成長と自律的なキャリア形成を支援するため、さまざまな人事制度や研修プログラムを整えています。加えて、各部門でも担当事業や専門性に沿った独自のキャリア支援を行っています。

今回は、2017年キャリア入社 猪狩修平さんへのインタビューしました。充電器ビジネスユニット 技術開発部に2017年にキャリア入社。パワーエレクトロニクス業界での経験を活かし、一貫して車載充電器の設計開発に携わってきました。プロジェクトリーダーとして要素開発を先導する立場から、異業界からの転職を通じて得た気づきや学び、車載充電器の開発に携わる醍醐味を語ります。

車載充電技術開発の最前線。つくりたいのは、未来を「動かす」力

猪狩が所属するのは、パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社(以下、PAS)充電器ビジネスユニット(以下、充電器BU)。車載充電器の開発と製造、販売を担う部署です。

「充電器BUでは、パワーエレクトロニクス(以下、パワエレ)技術を駆使して車載用充電器の要素開発・先行開発から商品開発を行っています。EV市場をリードする欧州の主要なカーメーカー複数社と早い段階から取引を開始し、強固な信頼関係を築いてきました。

充電器BUのミッションは、地球環境に貢献すること。EVソリューションを通じて電力変換技術を追求することでCO2排出量を削減し、温暖化や気候変動などの社会問題を解決することをめざしています。

また、EVの普及にともない、モビリティのあり方が大きく変わると予想されます。たとえば、EVを災害時などの非常用電源として役立てるなど、人々の暮らしの質の向上に寄与することも私たちの目標のひとつです」

技術開発部 ハードウェア開発課で電気設計に携わる猪狩。現在は要素技術の開発に携わっています。

「私たちの開発チームは、車載システム開発向けの業界標準プロセスモデルとして定義されているAutomotive SPICEにもとづき、HW(ハードウェア)・SW(ソフトウェア)・ME(メカニカル/機構設計)・SYS(システム)の4つの職能軸で組織されています。新規回路トポロジーの要素開発のため、それぞれの職能からメンバーがプロジェクトに選出されますが、私は職能を横断してプロジェクトを推進するプロジェクトリーダーを担当しています。

欧米市場でEVの電池電圧が400V帯から800V帯へと移行している流れを受け、新規の回路設計を行っています。さらに、近年の需要の高まりを背景に、車両からほかの電化製品へ電力を供給できる双方向充電(V2L: Vehicle to Load)の開発も進めています」

車載充電器の要素技術開発の難しさとおもしろさは表裏一体。仕事の醍醐味について猪狩はこう話します。

「車載充電器の開発において、小型化・軽量化・高効率化・高出力化・低コスト化は他社競争力の源泉であり、常にカーメーカーも高いレベルを求めています。これらの目標を達成することは容易ではありません。

しかし、その難しさが車載充電器の開発を特別なものにしています。参入障壁が高く、豊富な実績と経験が求められる分野に携われていることを誇りに思っています」

EVの台頭を機に、異業界からの転機を決意。PASで開いたキャリアの新たな可能性

前職で約6年にわたってゲーム機やプリンター複合機、プロジェクター向けAC/DC電源の設計に携わった猪狩。EVの台頭がキャリアの転換点になりました。

「パワエレはいわば縁の下の力持ち。問題なく機能して当たり前とされ、評価がされにくい傾向があります。ところが、EVが登場したことで状況が一変。たちまち脚光を浴び始めたことで、それまでの回路設計・商品設計で培った技術を活かして活動の幅を広げたいと考えるようになりました。

一般のAC/DC電源は、企画から量産まで1年弱と開発期間が短いのが特徴です。前職で、一連の開発プロセスをリードする経験を通じて、車載充電器の分野にも適用できる設計技術がひと通り身についていました。自分が貢献できる余地があると考え、PASへの入社を決めました」

入社後、猪狩は現在も所属する充電器BUへ。直面する課題を一つひとつ克服しながら、新しい開発環境に順応してきました。

「一般のAC/DC電源と車載充電器とでは、開発の規模は段違いです。把握しきれない数のメンバーがプロジェクトに参加する中、職能をまたいで解決すべき課題が多く、コミュニケーションに苦労しました。

また、車載充電器の開発プロセスに対する基本的な理解が必要です。欧州のカーメーカー向けには、Automotive SPICEに準じた非常にシステマチックな開発を求められるのが特徴です。

さらに、車載充電器はひとつのモデルが生涯に約100万台以上生産されることもあり、15年の寿命保証や高温や低温環境での動作保証、振動要求など高い品質要求に答える設計品質が重要です。バラつきを鑑みた設計や検証作業に多くの時間とコストをかける必要もあります。

異業界からの転職ゆえの難しさはありましたが、大規模な開発プロセスや、一貫した品質を目指す設計について学べるなど、エンジニアとして確かな成長を実感しています」

一方、前職での経験が活かされると感じる場面も多いと話す猪狩。

「一般のAC/DC電源の開発は、企画から量産まで一人の電気設計者が設計しながらプロジェクトをリードするケースが多いため、幅広い知識が求められます。そのため、転職後に新たに習得する必要があったのはAutomotive SPICEやIATFなど車載製品特有の知識がほとんど。前職で培ったパワエレの技術が役立つ場面は想像していた以上でした。

とくに、短い開発サイクルを何度も繰り返して身につけた感覚が、自分にとって大きな強みになっていると感じます」

入社3カ月でプロジェクトの成功を先導。前職の経験とチームワークが導いた技術的挑戦

猪狩が初めて大きな成果を残したのは、入社してわずか半年後のこと。二人体制のチームで、7.4kW LLCコンバータの設計を担当したときのことでした。

「3.7kWのLLCコンバータをベースに、出力を7.4kWへと倍増させる新規プロジェクトチームへ、入社3か月後に任命されました。サイズとコストに関する厳しい制約がある中、トランスとパワー半導体の最適なバランスを見つけることに注力して試行錯誤を重ねた結果、プロジェクト発足からわずか3か月ほどで設計の目途をつけ、動作検証サンプルでの実機テストを成功させました。

一方で、「バラつき」の観点が足りず、量産への移行段階で、この動作検証サンプルからトランスの仕様を大きく変更する必要が出たものの、この新規プロジェクトに挑戦できたことは、私が現在の要素開発にプロジェクトリーダーとして関わる上で、非常に有意義な経験でした」

一方、その後の糧となったこんな経験も。

「近年、半導体不足等による部品供給問題に伴い、多くの部品変更の検討が求められるようになってきています。比較的地味な業務ですが、個別の部品に深く関われる貴重な機会だと捉え、前向きに取り組んできました。

結果として、特定の部品に関する専門知識が深まっただけでなく、調達職能のメンバーと交流する機会が増え、社内のネットワークが広がったと感じています」

こうして入社して間もなく猪狩が実績を挙げられたのは、周囲のメンバーの支えがあってこそ。プロジェクトをリードする上で、心がけていることがあると言います。

「車載充電器は、数千点の電子部品や、ダイキャストなどの機構部品、各マイコンに搭載するソフトウェアなど、多くのパーツから構成されます。これらが高密度に搭載され、さらに水冷式で構造が複雑なため、開発には分業が欠かせません。プロジェクトを円滑に進めるために、自分では対応不可能だと判断した業務や、作業にかかる時間・難易度を見積もれないタスクは、メンバーに一方的に割り当てず、相談するところから始めることを心がけています。

最近は自らハンダごてを握る機会は減りましたが、そうやって常に現場感覚を持ち続けることでメンバーとの信頼関係が深まり、チームが一丸となってプロジェクトに取り組めていると感じます。

私がメンバーから教えられることも少なくありません。より良いアウトプットを求める上で、コミュニケーションを深めることは非常に重要だと考えています」

PASだからこそのイノベーションを。持続可能なモビリティの実現に向けて

2024年で入社8年目を迎える猪狩。転職を経て充実したキャリアを歩む立場から、PASで車載充電器開発に取り組む醍醐味についてこう述べます。

「車載充電器は開発期間がとても長く、その過程でチャレンジングな局面に遭遇する機会が少なくありません。市場の要求にキャッチアップしていくためには、常に新しい技術を取り入れ進化していくことが不可欠ですが、そのたびに自分をアップデートできるところに魅力を感じています。

また、『一人ひとりのより良いくらしの実現のため、持続可能なモビリティ社会を創造する』という大きなミッションを掲げるPASでは、どの部署も新たな価値提供をめざして技術や商品の開発に取り組んでいます。パワエレに限らず、かつての私のように表舞台で新しいことに挑戦したいと考えているエンジニアにとって、とても魅力的な環境です。車載開発が未経験のパワエレ技術者にも、ぜひチャレンジしてほしいと思います」

猪狩が要素開発のプロジェクトリーダーを務めてちょうど1年。今後も引き続き、現場と組織づくりを先導していくつもりです。

「これからも今のポジションで、要素開発を続けていきたいと考えています。スピーディーに成果を出すことに重点を置きながら、技術に磨きをかけていきたいです。

一方、充電器BUは比較的若い組織であるため、要素開発に始まり、先行開発を経て商品開発に至る一連の開発フローの構築が十分ではありません。メンバーが成長し、より良いものづくりができる環境の整備をめざして、要素開発・先行開発の開発フローを確立させたいと思っています」

地球環境を守り、持続可能なモビリティ社会を創造するために。PASだから実現できる未来に向けて、猪狩の新しい挑戦がここから始まります。

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キャリア形成のカギを握る支援プログラム

パナソニック オートモーティブシステムズのキャリア形成支援には、さまざまな形があります。人事がカリキュラムを整える研修プログラムや、個人が学習テーマを選択するオンライン研修、資格取得の支援、上司との1on1 Meetingやメンター制度などのコミュニケーションプログラム、社内公募制度(eチャレンジ)や社内副業、社外副業といった別フィールドでの飛躍。

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※所属・内容はインタビュー当時のものです。

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