2030中長期戦略
1. カルチャー・マインド変革
個性や能力を最大限に発揮し、皆が挑戦できる組織へとなるために、2019年から取り組んできた風土改革に加え、DEI推進や人事制度改革に取り組んでいきます。
- 人事制度改革:新たな挑戦と成長に向けて、高い目標に向かう人財づくり(挑戦を軸にした目標管理、評価システム、人財育成等)に取り組みます。
- DEI推進:多様な考え方や働き方を尊重し、働きやすい組織文化・風土づくりを引き続き推進していきます。
- 風土改革の加速:一人ひとりの発意・気づきから自分自身も変わり、会社を変えていくプロジェクトを継続していきます。
2. プロセス・オペレーション変革
「開発効率化」「設計・製造・調達連携」「SCM改革」「製造ムダ取り」の4テーマで推進し、成果を上げてきたオペレーション力強化の取り組みを標準化・体系化。組織横断であらゆる業務プロセスを進化させて、競争力の源泉としていきます。
サプライチェーン マネージメント(SCM)の強化
- 国内モデル拠点で先行して達成した生産リードタイム半減の取り組みを、国内・海外全拠点に展開していきます。
- 激しい需給変動への対応力強化のため、グローバルでサプライチェーンの業務プロセスを進化させていきます。
品質マネージメントシステム(QMS)の最適化
- 設計・製造・調達連携のリードプロジェクトで進めてきた部品共有化や既存設備の徹底活用などの改善活動をQMSに反映し、全プロジェクトへ展開。組織横断で業務プロセスの効率化・進化を進めていきます。
開発効率化・革新
- 開発生産性向上による開発費削減の取り組みを、ソフトウェア開発で常態化させるとともにハードウェア開発にも拡大。さらに、IT業界などの先駆的事例を取り込み、業界最高レベルの開発プラクティクスの構築を目指します。
3. 戦略・ビジネスモデル変革
「モビリティ社会の進化」と「人の価値観の多様化」を戦略立案の重要なファクターとして、私たちの取り組むべき3つの領域を設定。この“車の進化に貢献”、“一人ひとりに寄り添った価値を提供”、”体験価値をさらに進化、くらし領域への展開”と環境貢献への取り組みを加速し、一人ひとりのより良いくらしの実現と持続可能なモビリティ社会の創造に貢献していきます。
車の進化に貢献
お客様への提供価値を磨くことでお客様との強い共創関係を築き、事業競争力を高めます。
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コックピット統合ソリューション:SDV*1へと市場がシフトする中、車のアーキテクチャーは大きく進化し、全体のシステムを統合していくHPC*2化へと進展しています。当社はグローバルにおいてトップレベルのシェアを誇るIVI*3や、関連商品・技術を数多く有しているCDC*4を強みに、SDV化、統合HPC化の領域で貢献を拡大していきます。
*1 SDV: Software-Defined Vehicle(ソフトウエアで機能や価値が決まる車)
*2 HPC: High Performance Computer(高性能車載コンピュータ)
*3 IVI: In-Vehicle Infotainment (情報・娯楽の両要素の提供を実現する一体化された車載システム)
*4 CDC: Cockpit Domain Controller (コックピットのさまざまな機能を一つの電子制御ユニットに集約したもの) - EVソリューション:EV化加速により、よりよい充電体験が求められている中、短時間で充電できる高電圧・高出力の電力変換システムの重要性が高まっています。パワーエレクトロニクス技術で車載充電器にいち早く取り組んできた知見・実績を強みに、カーメーカーのテクノロジーパートナーとして、電力変換システムを進化させ、EV普及に貢献していきます。
一人ひとりに寄り添う価値を提供
- EV化や自動運転化により、車の付加価値が走行性能からエンドユーザーの体験価値(UX)へとシフトする中、ソフトウェアとデバイス・モジュールの組合せにより、コックピット領域で当社らしい新たな移動体験価値を創出します。
体験価値をさらに進化、くらし領域への展開
モビリティ社会の変革を目指した新たなサービス事業の創出を目指します。
- さまざまな制約条件により運行計画策定が困難な業界に対して、すでに関連会社で展開中の業務効率化ソリューション「DRIVEBOSS」を核にフリートマネジメントサービスを提供します。
- 当社グループ会社の知見を活用し、クルマとくらしがつながる新たなサービスプラットフォームをカーメーカーと共創します。
環境への貢献
私たちは、省エネや再生可能エネルギーの導入により、国内国外全拠点にて、CO2排出実質ゼロを達成しました。引き続き、「Panasonic GREEN IMPACT *1」のゴールに向けて、グループのけん引役を果たします。
- パナソニックグループが「Panasonic GREEN IMPACT」で示した「2050年に向けて、現在の世界のCO2総排出量の“約1%(≒3億トン)”の削減インパクト*2を目指す」という目標に向かって、引き続き積極的に推進し、グループのけん引役を果たします。
- Scope1,2 に関して、現場を中心とした省エネルギーを愚直に推進し、毎年、エネルギー総使用量の前年比3%減を目指します。また、2030年までに再生可能エネルギーの外部依存率を50%に削減します。
- Scope3では、あらゆるサプライチェーンのCO2排出量の見える化を進め、CO2削減貢献を競争力の源泉へとしていきます。
*1 Panasonic GREEN IMPACTの詳細はこちら
*2 2019年 エネルギー起源CO2排出量 336億トン(出典:IEA)3億トンは2020年の排出係数で算出