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働きやすさを提供する新しいナビアプリ
ゴリラーダプロ

  • イノベーション

2024年10月にパナソニック オートモーティブシステムズ(以下 PAS)からリリースされた法人向けカーナビアプリ 「Gorillada PRO(ゴリラーダプロ)」 (以下 ゴリラーダ)。ゴリラーダは、車で営業や設備等の保守点検業を行う企業に向けた、業務効率化や属人化解消に貢献するカーナビアプリです。本アプリの開発には新しい事業創出をミッションとするPAS内の部署である新事業推進室とPASの傘下でソフトウェアとハードウェアの設計開発を担うパナソニックITSのメンバーが携わっています。サービス導入を牽引した3人を取材しました。

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(左から) 藤川 慧史:マーケティング、小田原 義将:プロダクトマネージャー※、佐々木 拓巳:開発 パナソニックITS株式会社所属
  • 製品やサービスについて包括的な責任を持ち、コンセプト立案から開発、販売に至るまでの戦略策定、実施、意思決定を担う役割

ゴリラーダにはどのような特長がありますか?

小田原:まずナビとしての基本性能の高さです。ゴリラーダは、20年以上の実績があるストラーダとゴリラというカーナビを基に開発されており、2つのナビの性能の高さと使い勝手の良さを引き継いでいます。「目的地までのルートを案内する」という、ナビとして基本的かつ最も重要な部分について絶対の自信があります。もちろん、それだけではありません。ゴリラーダはナビするだけでなく、属人化解消、業務効率化に貢献するという新しいジャンルのアプリです。法人向けとして開発するにあたって、ただのカーナビアプリにはしたくありませんでした。例えば、地図データに登録されていない電柱のような目的地の情報をアプリ間で瞬時に共有することが簡単にできます。これにより、目的地を指示する管理スタッフからドライバーへの情報伝達が非常にスムーズになります。他にもドライバー間で情報交換ができる機能も搭載されていて、ベテランから新人ドライバーまでノウハウの共有ができ、業務や作業が特定の担当者に依存することを防げます。ゴリラーダは、管理スタッフとドライバーまたは、ドライバーとドライバーをつないで、働きやすさを提供するアプリです。

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アプリをはじめとしたサービス事業についてどのように考えていますか?

藤川: 収益面だけでなく、ユーザーに継続的に価値を感じてもらう・使い続けてもらうという点でも、サービス事業は重要だと考えています。また、単に商品をサブスクにするだけでなく、特に「ユーザーを理解し続けること」が重要だと感じており、ユーザーのニーズをくみ取り、サービスに落とし込んでいく基盤や仕組み作りが不可欠です。

小田原:PASでは、新事業推進室を中心に複数のサービス事業が立ち上げられています。今後メーカーとして生き残っていくためには、モノ売りだけでなくコト売りもできるようになっていかないといけないと考えています。市場環境としてもDX化のニーズが高まっています。さまざまな企業を訪ねて調査をする中で、現場作業では様々なお困りごとがあり、まだまだDX化において手を付けられる余地がたくさんあると感じています

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ゴリラーダの開発・事業体制にはどのような特長がありますか?

佐々木:スピーディーな開発があげられます。車載機器とゴリラーダのようなアプリでは、リリース周期がまったく違います。例えば、カーナビでは最低1年は開発期間を設けますが、アプリはもっと短い期間でどんどんお客様に使っていただいて、アップデートしていきます。こういったスピード感覚は、サービス事業を経験していないと体感できません。各開発プロセスの長さも全然違います。ゴリラーダはアジャイルで開発を行いました。各プロセスを一部並行して開発したので短期間でトライアンドエラーを繰り返し、アプリをブラッシュアップすることができました。
 

小田原:これは新事業推進室の体制全般に言えることなのですが、企画・開発・営業が部署ごとに分かれておらず、一つのチームとして開発に携わりました。プロジェクトとして全メンバーが1つの目標に向かって動くので、非常に柔軟に、かつスピード感をもって開発から販売までを行えます。この体制でなければゴリラーダのリリースはもっと時間がかかっていました。また、新しい事業を立ち上げるにあたってメンバーの多様なバックグラウンドもとても重要で、PAS内部になかった知見を補完してくれました。新事業推進室には、スタートアップや広告代理店出身者、シリコンバレー勤務経験者など様々な経歴を持つメンバーがいます。私自身も過去にSaaSの会社を立ち上げ、今もそちらの経営をしながらPASに在籍しています。
 

藤川:一つのチームとして推進する体制は意思決定もスムーズです。決めないといけないことは多かったですが、同じチームに多職能(企画・デザイン・開発・マーケ)がいて、垣根を越えて柔軟に各職能が連携することで、その場で方針を決めるなどスピーディーに意思決定ができました。また、企画以外のメンバーもユーザー調査に同席し、チームでユーザーの課題感を共有するなど、ユーザー中心の考え方をメンバーが共有していることも重要でした。新事業推進室には、専門のUXデザイナーが在籍していますが、それ以外のメンバーにも当たり前にUXデザイン※の考え方が浸透しています。これは、ユーザーが使いやすいサービスを展開するにあたって必要不可欠な下地になっています。

  • サービスや製品を通して、ユーザーに快適(分かり易い、使い易い、便利)と感じてもらえるよう体験を設計すること。
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ゴリラーダ開発でやりがいを感じたことはなんでしょうか?

小田原:ゴリラーダは新しい事業だったので、売り方など既存の枠組みでは対応できないことが多々ありました。まったく新しい仕組みを作ることになりましたが、難しさを感じるとともに、やりがいも大きかったです。また、訪問先企業で「これが欲しかったんだよ」というお客様の感想を聞けたときは、本当に嬉しかったです。アプリについてフィードバックをいただいていますが、まだまだ改善の余地があると考えると「やってやるぞ」という気持ちになります。どんどんアプリがブラッシュアップされていくことが実感できるからです。

藤川:リリース後は、仮説検証をしながらマーケティング施策をブラッシュアップしていき、PDCAをクイックに回した結果、ありがたいことに目に見える形で無料トライアルの申し込みが増加しています。どうやったら申し込みが増えるのか、集客できるのかを考えてユーザーを獲得していく過程やそのプロセスを構築していくことは本当にやりがいを感じます。改善点もありますが、伸びしろと考えて取り組んでいます。

佐々木:ゴリラーダではアジャイル開発など初めて取り組むことが多くありました。開発にあたって知識がない部分は社内外の様々な研修を受けつつ課題に取り組んだことで、自分自身が成長できたと実感しています。ゴリラーダの開発では、スピード感を維持しつつ、品質もしっかりとしたものを提供する必要があり、プレッシャーも大きかったです。でもその分、アプリが一般公開されて自分のスマホで確認できた時の喜びはひとしおでした。

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今後に向けた想いを教えてください。

藤川:業務効率化や属人化解消に貢献するカーナビアプリは、市場を見ても他にありません。そんなアプリがあることをもっと多くの人に知ってもらいたい。「いいね」と言って実際に使ってもらいたいです。ナビアプリは既存の車載事業から生まれたサービスであり、今後ゴリラーダを、自社アセットを活かしたサービス事業の成功例にしたいです。

佐々木:開発担当としては開発スピードと品質をもっと上げていきたいです。機能アップデートを続けて、より便利に、業務効率化できるようにしたいです。品質を落とさずに、より早く、より良いものをお客様に提供して満足していただけるものにしたいと思います。

小田原:現場と事務所、現場と現場がよりシームレスに連携できるカーナビアプリにしていきたいです。現場で移動する担当者のカーナビアプリがリアルタイムに情報連携されることで、お客様の業務をもっと効率化できると考えています。まだまだ日本企業の現場では、部門間の業務リレーや属人化の問題が多くあります。そういった業務の無駄や課題をなくす。ゴリラーダをそんな存在にしていきたいです。

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