自社らしさの探求の先に。
「モビテラ」という新たな器に込めた志
2027年4月、私たちはパナソニック オートモーティブシステムズ株式会社から「モビテラ株式会社(Mobitera Inc.)」へと社名を変更いたします。これは単なる名称の架け替えではなく、私たちが培ってきた精神性をより純度高く社会へ届けるために、自らの意志で選び取った「進化」です。
社名変更というプロセスの中で、いくつもの気づきがありました。「私たちは何者か」を改めて深く見つめ直す、貴重な対話の過程で見えてきた本質的な想いと、新しい名前に込めた願いについて、社長の永易 正吏がご説明します。
たどり着いたのは、
どこまでも「人」に寄り添うという原点
社名変更の検討にあたって私たちが決めたのは、「単に新しい名前を考えるだけの場にはしない」ということでした。これは、私たちが「何者なのか」、そして「何のために存在するのか」を、いま一度自分たちの手で定義し直すための、またとないチャンスだと考えたからです。これまで私たちは、パナソニックグループの一員として、その歴史と精神性を共有し、ともに歩んでまいりました。しかし、100年に一度と言われる自動車業界の大変革期において、私たちは自らの意志で戦略を立て、自律した会社として成長していく必要があります。将来的なIPOを見据えたこの決断は、決してこれまでの歩みを否定するものではありません。むしろ、培ってきた信頼と技術を、より純度の高い形で世の中に提示するための、前向きな「旅立ち」なのです。
約800もの新社名案を数ヶ月にわたり検証し、対話を積み重ねる中で見えてきたのは、私たちの技術の先には常に「人」がいるという、揺るぎない原点でした。私たちは単に「モノ」としての優れた製品を作るメーカーではなく、あらゆる移動をここちよくし、人生を豊かにする「体験」をデザインする企業でありたい。私たちが目指す、世界一の「移ごこちデザイン」カンパニーへの想いを象徴するのが、新社名「モビテラ」のロゴの中心に据えた「i」という文字です。この“i”は、どんな時も「人」を中心に考えるという、私たちの姿勢を表しています。 “Individuals” ──それは、一人ひとりの想いに寄り添い続けるということ。それこそが、私たちの揺るぎない原点です。技術がどれほど進化しても、その中心にあるのは常に人の「こころ」であるべき。この「人中心」の哲学こそが、新社名とともに私たちが未来へつないでいくアイデンティティそのものだと確信しています。

熱く、実直に。
浮かび上がった「モビテラ」の人格
社名の決定に続き、私たちはブランドの象徴となるロゴデザインの検討に入りました。しかし形作りに着手する前に、突き詰めておかなければならないことがありました。それは、新しい名前という「器」に、どのような魂を込めるべきかということです。

ロゴは、いわば会社の「顔」です。その表情を決めるためには、まずどのような人格でありたいかを明確にする必要があります。そこで私たちが選んだ手法が、ブランドを一人の人間と見立てて、その個性を徹底的に研ぎ澄ませることでした。「人」に寄り添うという抽象的な想いを、日々の具体的な振る舞いへと変換するために、Valueとして掲げる「誠意」「チームワーク」「適応力」「挑戦」「生産性」を、私たちが取るべき行動(DO)と、決して取らない行動(DON'T)に分解し、議論し尽くしました。
この対比を通じて浮かび上がってきたのは、「“こころ”に寄り添う姿勢と、“プロ”としての責任感」を高い次元で両立させる姿です。例えば、いかなる時もスマートに振る舞うことよりも、汗をかき、最後までやり遂げる。あるいは、堅実な事業展開に満足せず、ナンバーワンを目指し、勝つために仕事をする。こうした一見不器用にも思える実直さこそが、自律的に思考し、自らの仕事に責任を持って挑戦し続けるプロフェッショナルの条件であると考えます。
変わる勇気と、
受け継ぐべき「芯」と
モビテラという新しい姿へと進化する今、私が大切にしたいのは、この変化を「自律的な進化」として捉えることです。これまでの私たちは、パナソニックが築き上げてきたブランドや経営方針と歩調を合わせ、その価値観を共有してきました。しかしこれからは「モビテラが生み出す体験が素晴らしいから」という理由でお客様に選んでいただきたい。自らの実力で道を切り拓く──これは、プロフェッショナルとして自らの価値を証明していくための、前向きな挑戦だと考えています。
もちろん、変えてはならない「芯」があります。それは、私たちがこれまで培ってきた「創業者の理念」であり、安全・安心に対する「品質への執念」です。これらは社名が変わっても変わることのない私たちのDNAであり、自らの意志で選び取り、次世代へ繋いでいくべき普遍的な価値です。一方で、私たちは「変わる勇気」も持たねばなりません。変化の激しい業界で生き残るため、意思決定のスピードを速め、資本政策の柔軟性を高めていく。進むべき道は「自らの想いで、自らの手で」決めていく。この「守り抜く覚悟」と「進化への決意」を両立させてこそ、私たちは真に社会から必要とされる存在になれるのだと確信しています。

世界一の
「移ごこちデザイン」
カンパニー
を目指して
私たちの旅は、まだ始まったばかりです。クルマの価値が「モノ」から「体験」へとシフトする中で、私たちが目指すのは、移動という「時間と空間」そのものを創造する世界一の「移ごこちデザイン」カンパニーです。単に移動を便利にするだけではなく、移動する人が、その空間で自分らしく、豊かに過ごせるような「最高の移ごこち」を形にすること。人々の状態を細やかに察知し、視覚、聴覚、さらには触覚や嗅覚といった五感のすべてを通じて、心から満たされる空間を届ける。こうした挑戦の積み重ねによって、人々のウェルビーイングに貢献することが、私たちの約束です。

「移ごこちが良くなれば、人はもっと外に出かけたくなる」。移動が活発になれば、街は活気づき、人々の人生はより豊かに彩られていくでしょう。私たちの新しい社名には、道(Iter)をひらき、未来を「照らす(Tera)」という願いを込めました。人を中心としたモビリティで、一歩先を明るく照らしていく。この大きな挑戦を、固定観念にとらわれない主体的な行動で形にしていく。私たちが創り出す「最高の移ごこち」が、世界中の笑顔に繋がる未来を、すべてのステークホルダーの皆様と共に切り拓いていきたいと考えています。
