パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社 Panasonic AUTOMOTIVE

 

Panasonic AUTOMOTIVE

 
パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社

トヨタ向けスマートフォン用新世代ワイヤレス充電器を開発 既販車向けビジネスも新規拡大

2023年6月、パナソニックオートモーティブシステムズの新世代ワイヤレス充電器が、フルモデルチェンジしたトヨタ自動車株式会社(以下 トヨタ)の新型アルファード/ヴェルファイア全グレードに標準搭載されました。この充電器は、当社独自のムービングコイル方式と、様々な形状のスマートフォンに対応する独自のアルゴリズムを採用したことで、高効率な充電性能を実現しています。

トヨタに採用されるまで、どのようなチャレンジがあったのか。開発部門と営業部門の社員に聞きました。

新世代ワイヤレス充電器
新世代ワイヤレス充電器
左上 菊池さん(営業)、右上 大島さん(営業) 中央下 國井さん(技術)
左上 菊池さん(営業)、右上 大島さん(営業)中央下 國井さん(技術)

進化のポイント・開発のハードルは?

國井 丈司さん(技術):
当社の最大の強みは、運転中などスマートフォンの位置がずれても充電コイルがその動きに自動で追従するムービングコイル方式です。さらに充電効率を強化するため、最大充電出力を従来の10Wから15Wへ1.5倍にアップしました※1。また、コイル設計・配置の最適化や可動域を拡大し、スマートフォンの充電停止時間を最小限に抑えました。

難しかったのは、どんどんモデルチェンジと進化を続けるスマートフォンへの対応です。カメラ部の突起や携行用のカバーも考慮しなければなりません。特に日本市場特有の手帳型カバーは、厚みの影響でエンドユーザーから十分に充電できないというコメントもいただきました。そのため、充電時間をより長く維持するために異物検知※2のパラメータを見直し、充電アルゴリズムを独自に開発しました。充電可能範囲を従来モデルより体積比で3.6倍に拡大することでスマートフォンがズレても高効率充電ができる十分な充電能力を確保しました。
※1 Qi規格のVer1.3.2に準拠した製品に対して最大15Wまでの急速充電可能。iPhoneの7.5W充電とGalaxy急速充電仕様(10W)にも対応。
※2充電器とスマートフォンの間に異物が挟まり発熱した際に、ユーザーの安全のため充電を止めるワイヤレス充電器特有の機能。 

大型ムービングコイル採用
大型ムービングコイル採用
充電範囲が3.6倍に拡大
充電範囲が3.6倍に拡大
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スマートフォンがズレたり、ケースをつけたままでも充電が可能

販売増につなげた営業活動とは?

大島 基樹さん(営業):
商品の強みをより深くご理解いただくために、トヨタの開発責任者に向けて、より積極 的な技術訴求を行いました。当初、トヨタ様の認識は、置けば充電できるという機能 のみで、パナソニック オートモーティブの強みである“ムービングコイル”技術が周知されておりませんでした。しかし、プロモーション動画の提供など新たな訴求活動が 功を奏して、車そのものの商品性の向上に繋がるアイテムと認知いただくことができ ました。また、アルファード/ヴェルファイアへの標準設定をはじめとして、他のトヨタ 車でも装着率を上げてもらえたことが販売増に繋がりました。 また、この製品は既販車へのアプローチも販売拡大に寄与するのではと考え、働きかけ ました。その結果、トヨタ系列で車のサブスクリプションサービスを展開する株式会社 KINTO(以下KINTO)様と協働で、”KINTO FACTORY”という既販車へのアップデ ートサービスで本製品の販売を開始することができました。2024年5月現在、トヨタブ ランドとLEXUSブランド、合計5車種への後付けオプション設定が実現できたことも 販売に大きく寄与しています。

発売後の認知度向上活動とは?

菊池 悠介さん(営業):
今回の新製品の認知度向上とエンドユーザーの声を直接聞くために、SNSインフルエンサーが主催するLEXUS、RAV4ユーザーのオフ会に参画しました。KINTO様のブースに当社充電器の展示スペースを設けていただき、デモを実施しました。 ユーザーの声として一番多かったのは、「ワイヤレス充電は置くだけで充電ができるという認識があったが、実際にはスマートフォンがずれると全然充電されない」という不満でした。そんな中で、“ムービングコイルはスマートフォンがずれても充電が出来る” ということを、デモを通してエンドユーザーが直に確認し、良い印象を与えらえたことで自信が深まりました。またデモの訴求効果も高く、LEXUS NXに関してはKINTO FACTORY様にてサービス開始をしてから、想定を上回る注文を受領することができました。

LEXUSユーザーオフ会(。120台のLEXUSが集結
LEXUSユーザーオフ会(。120台のLEXUSが集結
RAV4ユーザーオフ会。250台のRAV4が参加
RAV4ユーザーオフ会。250台のRAV4が参加

今後の活動は?

大島 基樹さん:
今後は、メーカーオプションの車種を国内外で拡大しつつ、既販車へのアップデートビジネスであるKINTO FACTORYでの受注も加速したいと考えています。オフ会など、エンドユーザーとの接点となる場にも積極的に参加し、当社の製品をユーザー自身のスマホで体験してもらい、購買意欲の向上に繋げたいです。また、ユーザーの声を次期商品の企画に反映、カーメーカー様への提案活動にも活かしていきます。

國井 丈司さん:
商品の仕様面ではスマートフォンの進化に対応し、さらなる高効率充電を実現するため、アルゴリズムを進化させたいです。地道で時間も手間もかかる活動ですが、受注と販売増に結び付く、大きなやりがいを感じています。

プレスリリースページ: https://news.panasonic.com/jp/press/jn230724-2

新世代ワイヤレス充電器紹介動画: https://factory.kinto-jp.com/introduction/product/product-detail/lexus/NX002/NX002_10/

LEXUS NX オプション紹介ページ: https://lexus.jp/models/nx/features/equipment/

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