パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社 Panasonic AUTOMOTIVE

 

Panasonic AUTOMOTIVE

 
パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社

製造現場のさらなる省エネで地球環境に貢献

車載システムズ事業部 エネルギーマネジメントシステムズビジネスユニット 草津工場

member
電動コンプレッサーと

パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社(以下、PAS)は、2023年1月にCO₂排出実質ゼロ化を達成。2023年度も省エネルギー、創エネルギーの活動を加速しています。省エネルギーでは、前年実績の3%減を削減し続けるという高い目標を掲げ、2022年度は計画を上回る3.2%減を達成。省エネルギー化の継続には、生産活動で大量の電力を使用する製造現場における活動が、そのカギを握ります。

省エネルギーが進む製造現場の一つ、車載システムズ事業部エネルギーマネジメントシステムズビジネスユニット(以下、EMBU)草津工場の活動を紹介します。

kusatsu
車載システムズ事業部 エネルギーマネジメントシステムズビジネスユニット(滋賀県草津市)

EMBUが開発・生産する商材は、車の座席やハンドルを温めるヒーターや、EVの充電に不可欠な充電ケーブル、車内のエアコンの心臓部となる電動コンプレッサーなど。電動コンプレッサーは開発と生産を滋賀県の草津工場で行っています。

2023年1月、PASは、パナソニックグループが2030年に目標としているCO2ゼロ化を事業会社として最初に実現しました。製造現場を中心とした省エネルギー活動を愚直に続け、毎年、エネルギー総使用量の前年比3%減を目指します。また、省エネルギー活動で生み出したリソースは、再生可能エネルギーの導入費用などに分配するとともに、2030年には再生可能エネルギーの外部依存率を50%に削減する計画です。

不要な照明のこまめな消灯など、草津工場では省エネの重要性を意識して以前から行動していたものの、「エネルギー総使用量の前年比3%削減」という明確な目標が示されたことで、これまでとは異なる次元の取り組みをスタートしました。

工場の役割は、高い品質の製品を、より安定してより安く作ることです。そして、品質の安定には、作り方を安定させる、つまり、モノづくりに関するさまざまな条件を“変えない”ことが重要です。しかし、これまでとは段違いに大きな省エネ効果を生み出すためには、さまざまな条件を見直さねばなりません。今あるエネルギーを最大限に活用しつつ、ムダなエネルギー消費の排除が必要でした。

そこで、第三者の視点で見直すとともにアイデアを提案するサポート役として、PAS全社の製品品質や環境対応を統括する品質保証センターに現場診断を依頼。品質保証センターの担当者が草津工場に赴き、各工程の電力使用量を細かく測定し、洗い出した結果を踏まえて、エネルギー使用量の多い箇所に活動を集中することにしました。

「各設備の具体的な電力使用量を見える化したことで、現場の活動は一気に加速しました」。こう話すのは、電動コンプレッサーのコアとなる部品を加工する源泉工程のリーダー、小松さんです。

komatsu
小松さん

草津工場の使用電力量を設備単位で測定したことで、それまでは工程全体で把握していた電力使用量の内訳が明確になり、どの作業工程で対策を打てばより効果が得られるかがわかったのです。

小松さんは、「見える化したことで、現場の担当者は普段の仕事をしつつ、自主的に、省エネの目標値を定めて対策を打つようになりました」と、その効果を説明します。

現場で行われた対策とは、例えば、コンプレッサーの部品を洗う洗浄液の加熱に排水を活用したこと。部品を洗浄する際には、汚れを落としやすくするために55℃前後の洗浄液を使用します。20℃前後の洗浄液の温度を55℃まで温めるのですが、その熱源として温かい排水の熱を利用しています。また、部品を乾燥する炉を断熱シートで覆い、放熱のムダを抑えています。この2つの取り組みだけで、2022年度は年間の消費電力量の1万kwh近くを削減できました。

Piping
洗浄機の排水熱を回収(熱交換器装置)して省エネを実現
washer_dryer
洗浄機の制御装置(写真手前)、省エネ対策で乾燥工程を断熱アルミシートで被う(写真奥)

実験設備を冷却するクーリングタワーの見直しも、大きな省エネルギー効果を生み出しました。生産品目の変化や組織の再編で、稼働状況は大きく変化していたものの、それぞれの実験設備を冷却するクーリングタワーの配置は見直しされていませんでした。そこで、これまでの慣習や常識を捨て、全体最適の視点で見直しました。その結果、クーリングタワーを4台から2台に集約。さらに稼働状況に合わせて出力を変更できるインバーター化も進めました。これにより、およそ2万kwhの削減に成功しました。

coolingtower.jpg
草津工場のクーリングタワー

小松さんは、「これまでの“当たり前”を変えるのは、意識の変革が必要で、大きなチャレンジでした」と振り返ります。

製造現場の努力が実を結び、2022年度、草津工場の電力使用量は前年比で3.2%の削減を実現しました。 草津工場の運営をサポートする三宅さんはこれまでの活動を振り返って、「省エネを見える化できたことで、製造部門で働く皆の意識が大きく変わりました。自分の努力が省エネ、環境貢献につながると実感したことで、さまざまなアイデアが提案されるようになっています。2023年度はその積み上げに期待しています」と話します。

miyake
三宅さん

現場を率いる小松さんは、「チャレンジあるのみです。やれることは何でも挑戦し、自分たちにない知見もどん欲に得て、効果を引き出していきます」と、これからの抱負を語ります。

環境実務責任者の奥園さんは、「省エネ活動の主役は製造現場の皆さんです。皆さんが前向きで本当にうれしくありがたいですね。ただ、草津工場の力だけでは限界があります。だからこそ、パナソニックグループのメリットを生かし、知見や新しい着眼点をいただいて、活動をさらにレベルアップさせていきたいです」と話します。

okuzono
奥園さん

毎年3%の電力量削減は、決してたやすい目標ではありません。だからこそ、現場を熟知する担当者の意識が大きく変わったことが重要です。支える人の力を糧に、草津工場はさらに地球環境への貢献をレベルアップしていきます。

TOP

share
Facebookでシェアする Twitterで共有する Linkedinで共有する