「ソフトウェアファースト」の時代に、
クルマの新たな未来を描く
あらゆる移動をここちよく。その実現を目指し、多彩な製品やソリューションで世界のカーメーカーと共創を続けているパナソニック オートモーティブシステムズ株式会社。車の価値がソフトウェアへとシフトするなか、その変革の最前線に立つインフォテインメントシステムズ事業部では、現在採用を強化中です。今回は、事業部をけん引する西江圭介氏と、オープンソースの第一人者である石井宏幸氏にお話を伺いました。
重要性が高まるソフトウェア領域で、確かな存在感を示す
アーキテクチャエキスパートグループ エグゼクティブエキスパート/西江 圭介
──インフォテインメントシステムズ事業部が担う役割を教えてください。
パナソニック オートモーティブシステムズは、カーナビゲーションや車載部品などの自動車関連製品を通じ、カーメーカーのクルマづくりと人々の移動体験に新たな価値を創出しています。
なかでも、インフォテインメントシステムズ事業部は、「情報(インフォメーション)」と「娯楽(エンターテインメント)」を提供する車載情報通信(In-Vehicle Infotainment 以下、IVI)システムの開発を担っています。現在、IVIシステムおよびディスプレイオーディオの双方でグローバルシェアトップクラスの実績を有しており、当社を支える主幹事業の一つとして、今後も成長が見込まれる重要領域です。
近年は、ECU(電子制御ユニット)の統合やSoC(システムオンチップ)の活用による大規模化が進み、IVIはより複雑で高機能なものへと進化しています。こうした変化は当社に限らず、業界全体の潮流といえるでしょう。
海外ではECUの統合が早くから進んでいましたが、近年は国内カーメーカーでもその動きが活発化しています。5年後、10年後といった将来を見据え、構想段階からご相談いただくことも多く、その期待の大きさを実感しています。
──自動車業界が大きな変革期を迎えるなか、事業部としての戦略を教えてください。
私たちは大きく2つのテーマに注力しています。
1つ目は、アーキテクト人材の強化です。システムが大規模化するほど、全体を俯瞰して構造を設計する力が欠かせません。携帯電話や家電などの民生機器の場合は、小さなシステムから扱いはじめ、徐々に成長できましたが、自動車の場合は最初から巨大なシステムを扱うため、人材育成の難度が非常に高いのが実情です。
そこで当社では、小規模なデバイス開発から経験を重ね、システム全体を見渡せる設計力を養う独自の教育体制を整備しました。この取り組みは、事業部を超えた人材育成プログラム「Panasonic Automotive Systems University」の一環として、全社的に推進しています。
2つ目は、オープンソースの活用と業界連携の強化です。複雑化するシステムは、もはや1社だけで開発を完結させることはできません。当社としても、LinuxやAndroidといったオープンソースを積極的に取り入れ、世界中の知見を結集して製品開発を行っています。さらに、GoogleやLinux
Foundationなどとも連携し、業界標準の整備や共同開発にも力を注いでいます。
グローバルシェアトップクラスの実績を重ね続ける、強みの源泉
──当事業部ならではの強みと、今後の事業展望をお聞かせください。
私たちの強みは大きく2つあります。1つ目は、システム設計力の広さと深さです。当社のエンジニアには、車載分野だけでなく民生機器の開発経験者も多く、異なる分野の知見を組み合わせてシステム全体を設計できる点が特徴です。
2つ目は、ユーザー視点に立った発想力です。カーメーカーの要望に応えるだけでなく、「本当にお客様のためになるのは何か」を考え、時に新たな提案にも踏み込む姿勢は、創業者・松下幸之助の「無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ」という教えにも通じています。
こうした強みを土台に、当社は「世界一の『移ごこちデザイン』カンパニー」というビジョンを掲げています。空間全体の体験価値をデザインし、着ごこちや寝ごこちのように「移ごこち」の良い感覚を車の中でいかに実現するか、それが私たちの今後の大きなテーマです。
──今回、ソフトウェアエンジニアの採用を強化する狙いについてはいかがでしょうか。
自動車に求められる高い品質基準を守りつつも、新しい価値を創り出すうえでは、専門性を持ったソフトウェアエンジニアの存在が不可欠です。昨今は中国をはじめ海外の開発スピードが非常に速く、挑戦的な取り組みも進んでいます。こうした変化の波に乗り遅れないよう、確かな技術力と柔軟な発想を兼ね備えた方をお迎えしたいと考えています。
開発現場ではグローバル化が急速に進んでおり、海外のサプライヤーやパートナー企業と協働する機会が日常的にあります。技術的な視点で全体を設計するアーキテクト、国や文化の違いを乗り越えながら開発を推進するプロジェクトリーダー、お客様と直接向き合い課題を分解して解決に導くシステムエンジニア──それぞれが専門性を発揮し、連携していくことが、今後の事業成長のカギになると考えています。
現在は、採用と並行して人材育成にも力を入れ、技術力の強化やリーダー教育も積極的に進めています。専門性に応じて管理職相当の処遇を受けられる「高度専門職制度」を導入し、技術を軸にキャリアを築ける環境もあります。自らの専門性とキャリア志向に沿って、存分に力を発揮してほしいと期待しています。
オープンソースの第一人者として、社内外で活躍の場を広げる
R&D企画センター オープンソースプログラムオフィス OSSコミュニティエキスパート/石井 宏幸
──オープンソースを専門とする石井さんのご経歴や、現在の業務をお聞かせください。
2007年に新卒で入社し、ハードウェア設計を数年経験した後、2010年からソフトウェアエンジニアに転向しました。2012年に当社がLinuxをベースにしたIVIのシステム開発に乗り出した際、初期メンバーとして参加したことがきっかけとなり、以降、オープンソースの知識と経験を深めてきました。
現在は、社内外でオープンソースに関する活動を行っています。社外では当社の代表として各種オープンソースプロジェクトに参画し、技術開発から戦略的な議論、運営まで幅広く関わっています。2025年からはLinux
Foundation Japanのエバンジェリストにも就任し、活動の幅を広げています。
社内では、オープンソースを活用するプロジェクトや組織を技術面から支援しています。例えば国内OEMとの開発プロジェクトでは、Linuxを用いた課題解決や新しい構想の実現方法を共に検討し、効率的で持続的な開発体制を築いています。
さらに2025年からは、全社的なオープンソース推進組織「Open Source Program Office」にも参画し、これまで個人や部門単位で進めてきた取り組みを仕組み化し、技術支援や教育を一体的に推進しています。
──貴社の開発における特徴や強みはどこにあるとお考えですか。
1つは、技術戦略が明確なことです。「オープンソースをいかに活用し、自社システムにどう取り込むか」という戦略が詳細に示されているため、スピーディーな事業推進が可能になります。
もう1つは、挑戦を後押しする企業風土です。品質要求が非常に厳しい車載業界でありながら、「まずやってみよう」「失敗を恐れず挑戦しよう」というメッセージをトップ自ら発信し続けています。だからこそ社員は安心してチャレンジでき、仮にうまくいかなくても組織全体でカバーし、次につなげていく。この文化こそが、ここ10年で大きく進化した当社の原動力だと感じます。
車載領域におけるオープンソースの活用は、まさにこのチャレンジ精神の表れです。オープンソースは誰でも使える一方で不確実性も高く、それをどう使いこなし価値に変えていくかは大きな挑戦です。試行と改善を繰り返すアジャイル開発が求められる技術を、車載分野に適応させる難しさと向き合いながら、絶妙なバランス感覚で両立させている点は、当社の大きな強みといえるでしょう。
変革期の今、技術者にとってまたとないチャンスが広がっている
──Linux Foundation Japanのエバンジェリストとしては、どんな活動を行っていますか。
Linux Foundation Japanのエバンジェリストは、まさに伝道者としてオープンソースの可能性や楽しさを多くの人に伝えていく仕事です。就任してからまだ半年ほどですが、私自身、多くの刺激を受けています。
先日は大阪で、これまでオープンソースに触れてこなかった企業や、活用に悩む技術者を対象にイベントを開催しました。ブロックチェーンやセキュリティをはじめとする各分野の専門家と共に、パネルディスカッションなどを通じて分野を超えた知見を共有し、新たなつながりを生み出せたことは大きな成果でした。
最近では、これまでの活動が実を結び、社内表彰でグランプリに選ばれたり、ホールディングス全体の技術者向けイベントで基調講演を依頼されたりと、表に出る活動が広がっています。特に若手エンジニアから「石井さんのようになりたい」「自分も挑戦してみたい」と声をかけてもらえることが増えたのは、何よりもうれしいですね。
──技術者としてどのような成長ややりがいにつながる環境と言えますか。
自動車業界は今、「ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)」という新しい時代を迎えています。車の機能がハードウェアではなくソフトウェアによって定義され、購入後もアップデートされ続ける世界が訪れ、車の製品価値そのものが大きく変化していくでしょう。
この大きな転換期に、技術者としてこれまでにない挑戦に向き合えるのは非常に刺激的ですし、そこで働くこと自体が大きな成長につながると感じています。私自身、2012年に初めてオープンソースに触れた際は、従来のソフトウェア開発とは全く異なるスピード感と自由度に魅了されました。会社が私の挑戦を後押ししてくれたからこそ、専門性を深め、今のキャリアを築くことができました。
パナソニック オートモーティブシステムズには、オープンソースに限らず多様な分野で挑戦できるフィールドが広がっています。業界の変化を楽しみながら、自らの可能性を存分に広げていってほしいと思います。
出典:ビズリーチ 公募ページ「パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社」(2025年12月9日公開)より転載