移ごこち3クルマの可能性を拡げていく。

クルマがひとを
「見て」「気遣う」時代へ。
東京オートサロン
「移ごこち」デザインブース
体験レポート

パナソニック オートモーティブシステムズ(PAS)は、2026年1月9日から11日までの3日間、千葉県の幕張メッセで行われたクルマ好きの祭典「TOKYO AUTO SALON 2026」(以下、東京オートサロン)に出展しました。テーマは「AIで変わる移動体験」。この記事では、AI時代にPASが提供する「移ごこち」とその可能性を、展示内容を実際に体験しながらレポートします。

骨格も、緊張も、あくびも。
いまの私を読み取るAI

センシング技術×AIを
体験できるサイネージ展示

東京オートサロン会場に設けられたPASブースは、グリーンとホワイトを基調としたクリーンなイメージ。そこで体験したのは、クルマが人を「見る」「理解する」方向へ進化している、未来への入口でした。
ブース内のサイネージによる体験展示や、各種モビリティの展示が並ぶ中、まず目に入ってきたのは、通路側に用意されたデモンストレーションです。早速、体験してみました。
1つめは、サイネージに向かって手をかざすと、カメラが手の「骨格」を読み取り、点と線で立体物を表現する「ワイヤーフレーム」で再現してくれるというもの。試しにグー、パー、チョキとじゃんけんの動きをすると、動きがほぼタイムラグなく反映されます。スタッフの方に聞くと、「AIが手の骨格を分析して、人がどんなジェスチャーをしているのかを瞬時に判断してくれます」といいます。カメラの映像とAIの分析だけで再現され、レントゲンのように透視しているわけではないとのこと。

次の体験は、センサーを搭載したハンドルを握るデモ。心拍数と、手のひらのわずかな発汗を検知してドライバーの心理状態を分析。運転中の心理状況を推定できるとのこと。これは、人が、自分でも意識できていない「疲れ」や「焦り」などの不調をクルマがくみ取ってくれることにもつながるものです。「冷や汗などと同様、人は緊張すると手のひらに発汗します。心拍数とあわせてAIが分析することで、ドライバーの状況をモニタリングするのに役に立ちます」と、スタッフの方も解説してくれました。
さらに、カメラで人の様子を見て「どんな行動を取っているのか」を判定してくれるサイネージもありました。「あくびをしている」「電話をしている」「飲み物を飲んでいる」という行動のどれにあてはまるかを表示してくれます。
こうした体験展示からは、センサーとAIの掛け合わせによって、とても正確に人の状態を捉えていることがわかりました。これらが搭載されるクルマなら、安心してドライブすることができそうだと感じました。

乗員みんなに
「気遣い」ができる。
センサーとAIが実現する
未来のクルマ

WELL Cabin Craie2

続いては「WELL Cabin Craie2(ウエル キャビン クレ2)」を体験。運転席に座り、スタッフの方の説明を聞きながら「バーチャルドライブ」を楽しみます。
「WELL Cabin Craie2」は、車内外をセンシングする機能やAIを活用して、ドライバーをはじめ同乗者全員の「移ごこち」を高める機能が盛りだくさん。

まずは、ドライバーの好みに応じて、渋滞だけではなく狭い道など走りにくそうな場所を避ける「不安回避ルート」の提案をしてくれます。運転中も周囲の状況をセンサーが捉えていて「落ち着いて運転できています」などと不安をやわらげるように“ほめて”くれることも。また、死角になりやすい左後方などはセンサーで警告し、あくびを感知すれば休憩を提案するなど、クルマが自らアクションを起こします。
ほかには、後席の人が自分のスマートフォンでクルマのシステムに接続し、目的地までのルートを共有しながらドライブを楽しめる機能がありました。後席の人が「寄りたい場所」を口頭ではなくスマートフォンから提案し、ドライバーがナビに触らなくてもルートの変更ができるなど、乗る人全員で「体験」を共有できる設計になっています。将来的には個人のスマートフォンに蓄積された情報も手がかりに、食や音楽など個々の好みに合わせた提案へと対応範囲を広げる構想もあるそうです。

ユニークだったのが「クルマから見える風景」までAIが分析してくれること。夜のシーンで、フロントウィンドウの先に偶然見えた花火大会。花火を指さすと、AIがジェスチャーを検知して、タブレットに「この花火は『菊』という種類です」などと表示。どんな花火かのほかに、その名の由来まで教えてくれました。スタッフの方は「他にも、建物を指さすとそれが何なのか調べてくれるなど、さまざまな情報をジェスチャーで引き出すことができます」と語ります。さらに、花火のシーンを見ているとスタッフの方から「カメラに向かって笑ってください」と促されます。すると、シャッター音とともに撮影が行われ、笑顔と花火を合成した写真がスマホに送信されました。「笑顔を検知して写真を撮るようになっていて、それをクルマの前方に見える景色、この場合花火の様子と皆さんの笑顔を合成して、思い出の写真データを残してくれるんです」と語るスタッフの方の言葉に、運転中だからとあきらめていた、撮影による思い出づくりや記憶の共有が、指一本、表情ひとつで実現できる体験に、新しい時代の「ドライブ旅」の様子を思い描くことができました。
安全運転をサポートしてくれるだけではなく、乗っている全員を快適に、そして楽しませてくれる。「WELL Cabin Craie2」は、そんな方向性を強く感じさせる展示でした。

移動が
「旅」そのものになる。
GranLuxeが目指す、
体験としてのモビリティ

WELL Cabin GranLuxe

PASは、インバウンド旅行者向けの「おもてなしサービス」を提供するMAHAグループと連携し、トヨタ・アルファードベースの「WELL Cabin Luxe(ウエル キャビン ラグゼ)」で訪日観光客向けにプレミアムな移動体験を提供しています。
今回の東京オートサロンでは、次期車両として投入予定の「WELL Cabin GranLuxe(ウエル キャビン グランラグゼ)」の実車が展示され、実際に乗り込んで車内空間やAIを活用した「おもてなし」の実演を体験できました。
「WELL Cabin GranLuxe」は、従来よりも観光体験に重点を置いたアップデートを行った車両とのこと。
まず目を引くのは外装です。イタリアの有名デザインスタジオ「Italdesign」とのコラボによる、日本伝統の文様「青海波」をモチーフにしたデザイン。一目で「和」を意識させ、乗り込んだ瞬間から日本の旅への期待を高まります。

車内も広々。そこに座り心地のよいシート、上品な間接照明、音空間をつくるスピーカー群、そして大画面の55インチ・透過型ディスプレイが配置されています。没入感あるディスプレイを中心に、走行シーンや用途に合わせて多様な演出がされるのです。
このディスプレイでは多様なコンテンツが楽しめます。観光案内ビデオを見るのはもちろん、焚き火などの環境映像を流してリラックスしながら移動することもできます。焚き火の映像では「パチパチ」という音も含め没入感を演出。映像に合わせて照明も連動させているそうです。さらに、酔いにくいよう、見せ方も工夫しているといいます。前方の景色が透けて見えるのも大きなポイントで、外の景色を見ているのに、映像の世界にも同時に入り込めるという「現実と映像がゆるやかに溶け合う感覚」が、移動中の時間を価値の高い“体験”へと昇華していきます。

体験中強く印象に残ったのが、AIコンシェルジュ「WELL Attendant」による対応でした。AIアバターが質問に答える形で、歴史や文化など、観光地をより楽しむための背景情報も、自然に伝えてくれます。
実際に試してみました。手元のタブレットのWELL Attendantを選択し、「浅草のおいしい和食のお店を教えて」と話しかけると、WELL Attendant が瞬時に回答。「秋葉原が電気街になった由来を教えて」とか「ここから近いラーメン屋で、大盛無料のところを教えて」といったかなり細かい情報にも答えてくれます。
機械離れした自然な対応に驚いていると、スタッフの方から「自然な会話でユーザーをサポートできるよう、応答の速さや返答時の自然さ、会話の長さなどを細かくチューニングしています」との説明が。実際、返答が速いだけではなく、こちらが言い終わる「半拍」を待ってから返してくれる感覚もあり、変に待たされることも、会話がかぶることもありません。いい意味でAIらしさが薄く、人と会話するのと遜色ないやりとりでした。ブースには旅行企画会社や自治体関係者など、観光課題に関心の高い来場者も多く見られました。海外からの来場者もおり、想定外の質問にも対応できていました。

さらに驚いたのが、多言語と方言への対応です。現状でも英語や中国語、フランス語など、多数の言語に対応しているほか、日本語でも各地の方言に対応しているとのこと。中国からのお客さまも「普通話(※中国における標準語)だけではなく、広東語にも対応しているとはビックリしました」と感想を話していました。
AIコンシェルジュの狙いは、「移ごこち」の向上はもちろんのこと、観光ガイド不足や多言語対応といった事業者側の課題を補い、将来的には乗員の状態、たとえば表情などに合わせて案内を最適化することにもあるといいます。それぞれの人だけではなく、社会の「移ごこち」もデザインするという、意欲的な試みだと感じました。

「移ごこちデザイン」が
創る未来。
心動かす移動体験が始まる

PASの展示では、クルマが単なる移動手段から「人の心を動かすパートナー」へと進化していく過程を見ることができました。人の状態を読み取り、先回りして気遣い、さらに同乗者の気持ちまで高める。そんな新しい移動体験が、手の届く距離にまでやってきたと実感しました。
PASが世界一の「移ごこちデザイン」カンパニーになるというビジョンのもと、人の血が通った技術をさらに高めていくことで、モビリティはこれから、より素敵な体験をもたらす「パートナー」になっていくでしょう。

2027年4月、
私たちはモビテラ(株)に、
社名変更いたします。

2027年4月1日、パナソニック オートモーティブシステムズ(株)は、
モビテラ(株)に社名変更します。新社名に込めた想いや、
新しく生まれ変わるロゴマークについて、プレスリリースにてご紹介します。

モビテラ(株)

2027年4月、
モビテラ(株)に、
社名変更いたします。