移ごこち1クルマに乗るすべての人に安心を。

一人ひとりの運転不安に
寄り添う技術

「安全」が守られているからこそ、乗る人が感じる「安心=ここちよさ」。パナソニック オートモーティブシステムズでは、安全性を向上させ、移動の不安を低減するための技術に力を注いでいます。最先端デバイス開発に携わる社員が集い、新しいビジョン、世界一の「移ごこちデザイン」カンパニーに込めた想いを語ります。

様々な運転不安に
対応する技術

まずは自己紹介と担当している製品を教えて下さい。

羽田

羽田 崇人(はだ・たかと)です。ヘッドアップディスプレイ(HUD)の設計開発を担当しています。フロントガラスに車速やナビ情報などを表示する装置で、運転中の視線移動を少なくすることで、安全性を向上させることができます。

森本

森本 なずな(もりもと・なずな)です。電子ミラーを担当しています。通常のミラーとしてもディスプレイとしても使える製品で、カメラからの映像をディスプレイに表示して、後方視界を確保します。ワンボックス車などは同乗者や荷物で後方視界が悪くなりがちですが、これがあればクリアな後方視界が得られます。

三井

三井 健太郎(みつい・けんたろう)です。車載カメラ担当です。現在は電子ミラー、全周囲システム用のカメラを開発しています。様々なカメラを駆使して、駐車や車線変更の際に周辺の安全確認を行います。カメラを取り付けることで、「クルマの眼」として安心を届ける仕事です。

「移ごこち」はまず、
運転不安の解消から

運転不安解消について、どんな思いで取り組まれていますか。

羽田

じつは、運転があまり得意ではないため、クルマでの外出をあきらめることがあります。運転負担が少ないクルマがあれば、もっと活動的になれるかも、と考えたりします。私のように運転が苦手な人をサポートすることが重要だと感じています。

森本

そうですよね。運転が不得意な人でもラクにドライブできる、というのは「移ごこち」の大切な要素かも。私は子供の送り迎えで日常的に運転しなければいけないので、安全性は大事なポイント。自社の電子ミラーが搭載されたクルマを運転していますが、夜間でも後方の視界がはっきりと、明るく広く見えます。いままで見えなかったものが見えるんです。これなら夜間や雪の日でも安心して運転できると感じています。

三井

クルマ自体は好きですが、都会では代替交通手段があるため、なるべく運転を避けたいと考えてしまいます。運転は常に危険と隣合わせです。カメラ技術を活用してクリアな視界を確保し、安全な運転環境を提供することが重要です。
付加価値技術として、最近ではレンズに付いた汚れを洗浄して、視界を守る技術にも取り組んでいます。悪条件でも常に安心を届けるのが「移ごこちデザイン」の一つなのかなと思います。

羽田 崇人

幅広い技術の
バックグラウンドが強み

森本 なずな

技術に対するこだわりや独自性ついて教えてください。

羽田

一番こだわっているのは画質です。HUDは素早く情報を認識するための製品なので、見やすくキレイに表示しないと意味がないんです。ところがクルマのフロントガラスは映像を投影することを想定していないので複雑な湾曲形状になっており、歪みのないキレイな表示をするのが難しい。
そこで私たちはパナソニックグループとして培ってきた、実績あるデジタルカメラの光学設計・部品製造のノウハウを活かし、歪みのないキレイな表示を実現しています。また、アスファルトの照り返しがある日中でもしっかり表示が視認できるように、一般的なテレビの20~30倍の明るさが求められるのですが、プロジェクター技術を応用した独自の光学系により実現しています。このように、車載事業だけでなくグループ全体で様々な製品群・技術群を保有し、それを活かしていることが当社の強みになっていると感じています。

森本

技術的な強みは映像処理技術とデザイナーの意図を具現化する技術です。HUDと同じく画質にこだわり、高精細な液晶を使っています。通常のミラーではヘッドライトしか見えない夜間でも、この電子ミラーはデジタル画像処理を施し、ヘッドライトはまぶしくなく、周りの暗い部分は明るく見えるようにしています。デザイン性では、ミラーは法規(保安)部品としての基準が定められおり、フレームレスで薄いガラスにR(曲線)加工を施し安全性とデザイン性との両立を図っています。また、車載製品としては燃費に貢献する軽量化も大事なポイントです。

羽田

周りの明るさが変わる中でキレイに表示するのは大変ですよね。

森本

ホントそうなんです。あと大変なのはカーメーカーとの作り込みの作業ですね。信頼性への要求がものすごく高く、開発品を様々なシーンで評価します。またカーメーカーとも合同での実車に組み込んだ評価を複数回行い性能を改善することでエンドユーザーの期待に応える製品を実現しています。結果、「移ごこち」アップにも貢献していると思います。

三井 健太郎

三井

カーメーカーとの共同開発の一例ですと、サラウンドビューカメラがありますね。もともとリアカメラを視点変換してトップビュー、つまり上から見た状態にする技術は存在していました。そこから死角であるクルマの斜め後ろを見たい、前方の死角もなくしたい、という要望に応えて、360度見えるサラウンドビューシステムが生まれました。また画質の改善により真っ暗な環境でも見せたいというご要望にも応えることでより安全性を高める等、様々な工夫を加えています。このようにカーメーカーと一緒に議論を重ねてきた結果が、「移ごこち」向上につながっていると感じます。

安心を届ける企業、
その社員としての思い

「移ごこち」の将来像などありますか。

三井

ドライバーだけでなく同乗者、自転車や歩行者など、すべての人が安心・安全を感じられる交通環境を追求することが「移ごこちデザイン」なのだろうと思います。カーメーカーからの要望も、街頭などがなく人間でも視認が難しい環境でもカメラで周囲の状況が見えるようにしたい、部品点数を減らしたいなどいろいろ厳しいありますが、最終的にはエンドユーザーの安心感、使い心地の向上につながることが大切です。

羽田

運転のハードルを下げ、移動が障壁にならない環境を作り出すことが目標です。究極的には完全自動運転の実現が理想の姿だと思いますが、そこに至るまでにはまだまだ長い道のりがあります。その道のりの過程でHUDに求められる性能や表示するべき情報も変わってくると思いますし、クルマに必要な装備自体も変わってくると思います。今後も常にその時代に合った製品を提供していくことで社会にお役立ちし続けていきたいです。

森本

安全性のために後方視認性を更に改善したいというニーズがあり、コストとの兼ね合いを考えながら進めています。また自動運転が実現すると電子ミラーの役割も変化することが考えられ、AI技術なども活用しながら、安心安全でストレスのない運転環境を提供したいです。

三井

カメラ技術で人検知や道路の白線の検知を行い、自動運転技術に対してもサポートしていきたいです。一方、自分で運転を楽しみたい人にも選択肢を残すことが重要です。

「移ごこちデザイン」のために、これからも人に寄り添うのですね。

三井

人に寄り添う、つまりお客様第一の社風が創業から続いているのだと思います。要望を具体化するためにどこまで親身になれるか。カーメーカーの要望は結局エンドユーザーの要望であり、「移ごこち」につながるのだと思います。

森本

創業者の言葉だと「お客様大事」。信頼されるパートナーとしてカーメーカー様と真摯に向き合うとともに、常にエンドユーザーの気持ちに寄り添った開発を進めて参ります。こうした対応力も「移ごこち」につながっていると思います。

羽田

真面目で正直な社風が、自然と人に寄り添う空気を作っているのだと思います。

※ 記事内容は公開当時のものです

  • 羽田 崇人

    2017年に入社し、ヘッドアップディスプレイ(HUD)の設計開発を担う部署に配属。以降、現在まで主にヘッドアップディスプレイ(HUD)の光学設計を担当。移動が障壁にならない社会の実現に貢献することが目標。


    ここちよさを感じるのは?
    趣味のテニスをしているとき。

  • 森本 なずな

    2011年に入社し、営業本部 直轄部門にて企画や新規商材推進に従事。現在は電子ミラー・ドライブレコーダー事業のプロジェクトマネージャー(PM)としてプロジェクトの推進、収支管理および収支改善活動を担当。より快適で安心頂ける移動空間創出に貢献することが目標。


    ここちよさを感じるのは?
    ビールを飲みながら料理を作るとき

  • 三井 健太郎

    2007年に入社し、2013年から車載カメラ開発に従事。
    多岐にわたるカメラシステム商品を担当。映像仕様の整合、策定をカーメーカーと共に手掛け、安全安心な画質をつくり上げてきた。
    カーメーカー、そしてエンドユーザーから品質、品位共に満足していただける商品を市場におくり出すことで交通事故ゼロ社会に貢献することが目標。


    ここちよさを感じるのは?
    趣味の音楽に集中している時間。